

第1章 ものづくりの心
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パンの「手捏ね式」
機械による大量生産が当たり前になるにつれて、従業員はパン生地に触れる機会が少なくなりました。
そのため、毎年フジパン入社式では、パンの「手捏ね式」の場を設け、自ら新入社員と一緒にパン生地をこね、「あんぱん」を作り、フジパンのものづくりの原点を体験しています。 -
パン作りのスペシャリストの養成
麦刈りの風景
また、武蔵工場内にあるフジパン高等職業訓練校は、昭和57年に埼玉県知事により認可を受けた職業訓練校です。全国各地にある工場より選抜された社員を対象に、パン作りの基礎知識の修得を目的とした約4ヶ月間の集合訓練を行い、製パン技術者を養成しています。
小麦の栽培・麦刈りから始まるこの訓練校のカリキュラムは、パンの基本を覚え、ものをつくりだす想像力を養うことを目的としています。 -
社員の多くがパンづくりのプロを目指します
フジパンでは、工場の製造現場スタッフ、商品開発スタッフはもちろん、営業スタッフまでもが「製パン技能検定」を受けています。製パン技能検定とは、製パン技能を一定の基準によって検定し、これを公証する国家検定制度です。
パンづくりの知識を深め、食生活にかかわるメーカーとしての責任を持ちたいという思いからです。
第2章 本仕込の開発
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素材を吟味し、製法にこだわって、
“本当においしい食パン”を作りたい90年代初頭、ひたすらやわらかい食パンが市場を賑わしていた頃のこと。社長(当時)舟橋正輝は考えました。「昔ながらの手作りの食パンは、炊きたてごはんのようなもっちり感があり、日本人の嗜好や、欧米人に比べて少ない唾液分泌量に合っていた。昔のように、食パンのもっちりした食感を取り戻したい。」そんな思いから本仕込の開発が始まりました。
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ストレート製法に挑戦
中種製法とストレート製法の食パンの決定的な違いは水分量。水分が多く糊化(アルファ化)度の高いもっちりとした食パンを、機械で安定的に量産化するには大きな壁がありました。機械生産は生地をいためてしまう上、水分の多い食品は店頭での商品寿命が短いのです。これが、どのパンメーカーもストレート製法を敬遠していたゆえんでした。
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「本仕込」は日本の食パン
2年余りの試行錯誤の末、ついに「本仕込」が完成。炊きたてごはんのようなもちもちした食感が特色であることから、「日本の食パン」をキャッチフレーズに、ネーミングも和風の「本仕込」にしました。今では当たり前になりましたが、食パンに和風のブランド名をつけたのはフジパンが初めて。こうして1993年、「本仕込」は関東地区を皮切りにデビューしたのです。
第3章 ネオバターロールの新発想
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みんな大好き、ネオバターロールの秘密
ネオバターロールの自慢はマーガリンパンとマーガリンの最もおいしいバランスを見つけ出すために社員達が1gずつ量を変えては試食をし、決定しました。時代の変化に対応するため、今でもその調整は続いています。生地はもちろん、本仕込と同じストレート製法。一口食べてみると、豊かな香りが口いっぱいに広がります。
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温めてもおいしい。
ちょっと溶けたマーガリンが絶品食卓ロールはそのまま食べるのではなく、マーガリンなどをつけて食べる人が多いことをヒントにネオバターロールは開発されました。あらかじめマーガリンが入っているので忙しい朝にも便利。商品名は「新しい」という意味をこめて「ネオバターロール」に決定。少し温めれば、中のマーガリンがパンにからみついておいしさ倍増です。
第4章 安心へのこだわり
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トランス脂肪酸の低減に取り組みます
フジパンでは、安全・安心な食生活創造というテーマのもと、個々の製品において使用する加工油脂の見直しを行い、トランス脂肪酸低減に向け取り組んでいます。本仕込シリーズ・ネオシリーズにおいて、「トランス脂肪酸の情報開示に関する指針」に基づき、「トランス脂肪酸0g」と表示しております。
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アレルゲン管理
アレルギーを引き起こす可能性がある原材料を使用する場合に、注意喚起の表示をしたり 使用器具の洗浄を徹底するなど管理を強化しています。さらに、月に1度、アレルゲンのコンタミ調査を行い、安全を確認しています。また、正しい包装表記を徹底しています。
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正確な表示を徹底
ホールセールで販売するパン包装紙に記載する商品名や原材料名などをJAS法や食品衛生法等に基づき正しく表示するために表示管理課を設けています。商品に正確な情報を記載することによりお客様に安心も提供しています。
第5章 徹底した安全管理
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ISO審査やAIB監査の厳しい
第三者チェックを行っています。フジパングループでは、独自のGMP(適正製造規範)に基づいた、品質安全への管理体制や清潔な作業環境を維持・管理しています。これらが国際標準を満たしていることを、品質保証の仕組みづくりの国際基準となるISO 9001や、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO 22000、FSSC 22000、食品の衛生管理の国際標準となるHACCP、といった第三者認証により確認しています。また、AIBフードセールティ監査により、フジパン独自のGMPに沿った取り組みや行動をしているかを、チェック、検証しています。
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防塵・防虫・防鼠対策
原料や製品に異物などが混入したり、有害生物の侵入や発生への防止対策を細部に施して、清潔な衛生環境を維持し安全性を高めています。工場入口には、エアシャワーや手洗い消毒設備も完備し、外部からの有害物質侵入をシャットアウトしています。
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トレーサビリティー
原材料のロット番号の記録や、数量管理を徹底し、原材料に関する管理を強化しています。この原材料管理から出荷後の配送に至るまでの、確固たるシステムを構築しています。
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サニテーション管理
工場内を清潔に保つよう、社員一人ひとりが設備の清掃など環境美化を励行しています また機械の洗浄、廃棄物の処理も徹底して行い、工場内をクリーンに保っています。
第6章 ものづくりの現場をご紹介
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エアーシャワー(豊明工場)
作業服に付着したホコリや髪の毛を吹き飛ばします。
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ミキサー(食パンライン:仙台工場)
温度、湿度等の変動を加味して原料を正確に計測し、最適時間でミキシング。大きな生地が迫力満点!
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分割・丸め(食パンライン:横浜工場・豊明工場)
捏ね上げた大きな生地を一定の大きさに分けて、ボールのように丸めます。
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トンネルオーブン(菓子パンライン:熊本工場)
成型、発酵を済ませたパン生地をオーブンで焼きます。
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スパイラルオーブン(バンズライン:豊明工場)
こちらはオーブンの中がらせん状になっているスパイラルオーブン。こんがりきつね色のバンズが焼き上がりました。
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クーリング室(デニッシュライン:豊明工場)
オーブンから出たばかりのパンは熱いので、包装するまでの間、コンベアー上で冷ます時間をとります。
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型抜き機(食パンライン:熊本工場)
食パンは型に入れて焼き、オーブンから出たところで型から抜いてクーリングに入ります。
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焼きあがったパンの余熱をとるクーリングタワー
(食パンライン:熊本工場)工場によっては、こんな壮観なタワー状のらせんコンベアーでクーリングを行なっています。
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包装ライン(食パンライン:岡山工場)
クーリングが終わった食パンは、包装場でさまざまな厚さにスライスされ、パッケージングが施されます。
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箱詰め機(ロールパンライン:豊明工場)
包装したパンは、整列させて出荷用のパン箱に自動収納されます。イレギュラーなパンが無いか、人の眼でしっかりチェック!

